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白川静先生お別れの会

昨日、京都駅近くのホテルグランヴィアで、本年10月30日に亡くなった白川静先生の「お別れの会」が開かれました。japanknowledge.comに辞書三部作のうち『字通』を使用させていただいているご縁もあり、少々慌ただしかったのですが京都まで往復して出席してきました。

立命館大学主催の会でしたが、ご長女の津崎史さんも出席され、先生の日常や最後の数週間のご様子を交えてご挨拶されたのがとても印象に残りました。ふだんは相撲がお好きでよくテレビをご覧になっていたこと、雑誌の「天才」特集(?)でイチローとともに紹介されたのがきっかけで、大のイチローびいきになったこと、お名前が一字違いの荒川静選手もお気に入りで、散歩の途中で「イナバウアー」の真似をされたこと、任天堂のゲーム機で将棋を楽しまれていたことなど、「孤高の碩学」というイメージとは離れた普段着の先生を髣髴させるエピソードが会場の雰囲気を和ませていました。

亡くなる前のお話では、入院した当初は退院して仕事をどう続けるかの段取りをもっぱらお考えになり、入院が長引きそうだとみるや、今度は仕事を誰に引き継がせるかの割り振りを考えることに転じたとのこと。万事に周到な先生のお人柄をよく表していると思いました。

入院中のある時ぽつりと「ずいぶんたくさん書いたな・・・」と漏らされたというお話も心に残ります。「たくさん書いた」のは本当に掛け値のないところで、残されたお仕事の大半は白川静著作集(平凡社)に見ることができますが、中でも『説文新義』『金文通釈』の両巨編は(私のような門外漢には敷居が高すぎる成果ですが)今後漢字や中国の古代史を研究する上では避けて通れぬものになるでしょうし、『詩経研究通論篇』、『詩経国風』ならびに『詩経雅頌』の訳注なども長く残る素晴らしい業績と思います。その他あの魅力的な『初期万葉論』『後期万葉論』や『孔子伝』などなど(もちろんここに辞書三部作も忘れるわけにはいきません)、ほんとうにたくさんのかけがえのないご著作を先生は残して下さいました。謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。Y・M
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